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Yet Another Brittys Wake

the wonderful widow of eighteen springs

お風呂詰将棋、もといドリルの愉しみ

以前にお風呂勉強法というものを紹介し、はてなブックマークニュースでも参照していただいたのだが、当の本人はそのときにはまったくお風呂で本を読むということをやめていました。すいません。

なにしろ温熱じんましんがたびたび起きるようになったので、ゆっくりお風呂にはいるということ自体が厳しく、長風呂と温泉が大好きな身としてもつらいのではあるが、ともかくもお風呂で何かを読むということをこの一二年はしておりませんでした。とはいえ最近ようやく蕁麻疹は治まったので、またぞろ風呂で物を読むという習慣を取り戻しつつあります。といっても語学熱はぴったりとまっており――覚える速度より忘れる速度のほうが速くなり、新しい言語を習う気力がだいぶんそげてしまった――いま読んでいるのは肩の凝らないものがほとんど。漫画、ライトノベル、そして詰将棋

詰将棋は読むものじゃなくて解くというべきでしょうか、ともかく風呂のなかで一題一題解いて行く。いくつか解いて少しのぼせたくらいでやめて、外へでて水を飲んだりするのは語学教材を読んでいたときと同じです。なぜいま詰将棋かというと、3月のライオンにはまったのを契機に将棋を最近勉強しだしたから。きほん私は将棋はみるだけなのですが、それでもある程度自分にも棋力があるほうがより面白くみられるだろうと考えました。そして識者によれば詰将棋は終盤力を培う基本的な勉強法のひとつなのだそうです。

実は四十過ぎて初詰将棋です。むろん詰将棋というパズルがあることは知っていて、しかし一般の雑誌や新聞に載っている詰将棋は七手詰とか九手詰とかで、みてもわからない。というわけで自分には縁がないものと長らくぼんやり思っていたのですが、しかし詰将棋が必須の勉強法と聞き、また世の中には数十、あるいは百手を越える難解な詰将棋もあれば、五手とか三手とかの短い詰将棋も両方あることは遅ればせながら最近知った。そこで最初は三手詰をウェブなどで探して解いていたのですが、これに時間がかかる。解けることは解けるが一題に五分とか十分とかかかってしまう。そしてウェブサイトを探すのも結構手間である。1手詰ハンドブックそこでつらつら考えて、効率的な学習のためには、もっと基礎的なところから、そして集中的にやる必要があると思い、一手詰の本を買いました。いくつか良書があるようですが、私が買ったのは浦野真彦さんの『1手詰ハンドブック』です。浦野さんの詰将棋について『3月のライオン』中で触れられていたのも購入の動機になったかもしれません。

5月頃に買って、心がけとしては毎日、実際には数日間が開いたりしながら、それでもなるべく一日に何題かを解くようにしています。いまは三周目です。

一手詰というのはつまりはどこかに一度王手を掛ければ相手玉が確実に詰むという、せいぜいが十くらいの選択肢のなかからたかだかひとつの正答をみつける極めて簡潔なパズルですが、『1手詰ハンドブック』では一冊にその一手詰ばかり300題が収録されています。詰将棋に慣れた人であれば、おそらく一桁の繰り上がりのない足し算引き算あるいは九九といった基本的な算術問題と同じくらいの難易度なのでしょうが、これが、はじめてだと、ようよう解きません。はじめて『1手詰ハンドブック』を全問解き終えたときは、300題を解き終わるのに毎日風呂のなかで数問づつ、2ヶ月強かかりました。風呂のなかで解くので5分に4問から8問といったところでしょうか。そのあと駒の動き方を学習するための最初の80問だけを二周ほど解いて、改めて全問解いたところ、これは1週間で解き終わりました。いま三周目なのですが、これは1度に、ということは5分で80問前後が解けるペースで進んでいます。これまでの経験からこの「同じ問題集を繰り返し解く」のがそれなり効率のいい学習法だろうとは予期していましたが、ここまで急激に目に見えて進歩するとは自分でも予想していなかったので、少々驚いています。むろん既にやったことがある問題だからすぐ解けるという側面はあるのですが、いままでどうあっても1題に5分や10分費やしていた三手詰が、初見のものであっても大体は1分前後で解けるようになってきているので、詰将棋回路が脳のどこかに着々と構築されているのだろうと思います。

ドリルを繰りかえし解く、という学習法はロケット開発で有名な糸川博士の学習法の本で知りました。中学生くらいのときだったでしょうか。本は小学受験の算数の勉強法に関するものでしたがたぶん今は絶版でしょう。この勉強法の骨子はふたつあり、

  1. 同じ問題集を繰りかえし解く。間違った問題には印をつけておき、2周目はそれをピックアップして解く。こうやって繰り返し以前に間違えた問題を解く。
  2. 解き方がわからない問題は、答えをすぐ見る。見た上でその答えにたどりつく解法を考える。なので解答が問題のすぐ下に書いてある問題集が理想的。

他の教科でもある程度は共通するのですが、算数や漢字といったドリルを大量にやることに意味があるような領域にこの方法はとくに向いているように思います。英語だと、文法問題や単語テストのようなところでしょうか。なお、お風呂はなにぶんお風呂ですので残念ながら筆記用具は持ち込んでいません。そのため効率はやや悪いのですが、詰将棋については正答できた問題もそうでない問題も、同じように繰り返し解いています。受験勉強のドリルと違い根をつめて能率を追求しないといけない状況でもありませんしね。