すり鉢で作る冷たいスープ三種―ガスパチョ・きゅうりのスープ・納豆汁
日付が変わる前につっぷすように意識を手放して数時間後に目がさめ、しばらくはそれで動いているのだが寝が足りなくて昼までまたつっぷす、という妙な生活リズムがこのところ続いているがみなさまいかがおすごしですか。やはり暑いから、目が覚めてしまうのかなあ、って夜中が一番涼しいんですけどね。どうせなら暑さが極まる午後の早い時間に寝るのがいいような気がするが、世の中はままならない。
昨日の朝ごはんにサラダをと思いたって、出してきたトマトが形を保っているのがふしぎなくらいによく熟れていたので、考えをかえてスープにした。飲むのは一日寝かせてからで、というわけできょうのブランチはガスパチョに手製のオレンジドリンクを添えて。これが案外腹持ちがよいので食事をするのもだるいような暑い日には好適である。
ガスパチョ(二食分)
材料:
- トマト:2つ
- ピーマン:1つ
- きゅうり:半分
- たまねぎ:8分の1
- にんにく:1かけ
- オリーヴ油:大さじ1
- 酢:大さじ1
- パン:8枚切り1枚
- 塩:適量
- 水
- パンを手でちぎって細かくし、水(分量外)につけてふやかしておく。
- たまねぎをみじん切りにする。にんにくをすりおろす。残りの野菜はさいの目に刻む。
- すり鉢に1のパンと2の野菜を移し、オリーヴ油・酢・塩を加えて混ぜる。
- 水を入れる。
- 味をみて、塩がきついようならレモン汁(分量外)を少量加えて味を調える。
- ふたをして冷蔵庫にいれ、一日寝かせる。
この工程だとすり鉢を使う意義があまりないが、元気のある人は3と4の間で「すりこぎで材料をまんべんなくすりおろす」と幸せになれる。私はここは妥協して手をはぶくことにしている。フードプロセッサーをおもちの方は使われるのもよいだろう。なお取り椀も冷やしておくのを忘れないこと。ガラス器の場合いざとなれば5分冷凍庫にいれるだけでかなり冷やせる。
きゅうりの余った半分は、きのうの昼ごはんにやはりスープにして食べた。これもすり鉢を使う。
きゅうりの冷たいスープ
材料(一皿分):
- きゅうり:半分
- 豆乳:150ml
- 塩
- きゅうりはすり鉢ですりおろす。端のほうは細かいみじん切りにしてあとで薬味にちらす。
- すりおろしたきゅうりに豆乳を加えて混ぜる。
- 塩を加えて味を調える。あれば胡椒・クミンシード等を加えるのもよい。
- 冷蔵庫にいれてよく冷やす。
- 皿に盛り、1の刻んだきゅうりをちらして出来上がり。
さて今晩はガスパチョがまだあるからいいとして、明日は何を作ろうかなあ。きゅうりと青しそがまだあるので、納豆汁にするんだろか。これは檀流クッキングで覚えた冷っ汁を精進料理へと変形したもので、冷っ汁については宮崎県人の皆様が熱く語っておられる各ウェブサイトをご参照いただくとして、すり鉢で白ゴマをすった後、底にみそをぬったのを焼いて、薄い輪切りにしたきゅうりと刻んだ納豆を加え、氷水か出汁を冷やしたのをいれたのに繊切りの青しそをちらし、そして冷っ汁同様ごはんにかけてたべる。たっぷりと食べたいので大振りの椀にごはんを少し盛って出すのがよく、そして冷えたのを楽しむにはごはんはやはり氷水で洗って水飯(すいはん)にして出すのがよい。ふだんはチンのご飯で平気な私であるが、水飯については、これはチンしたご飯ではなく、炊きたてをきんきんに冷えた水で洗ったのがよいとおもっている。ただし水飯はすぐ饐えてしまうのでその都度食べる量を洗うのがよろしかろう。ご飯を冷水で洗うというとときに驚かれるのだが、水飯というのは少なくとも平安時代からある品で、『今昔物語集』本朝世俗部巻第二十八の笑い話が有名だが、『枕草子』『源氏物語』にも言及がある。有職故実によれば夏の大臣饗応では水飯を供するのがならわしだったそうで、食欲のすすまない折には試していただきたい一品である。