Yet Another Brittys Wake

the wonderful widow of eighteen springs

コロナ陽性になりました(完了)

コロナになりました(完了)。

もう自宅療養は終わっています。昨日付で満了です。自宅軟禁から解放された。嬉しい。とはいえゴミ出しのときなどは外に出ていたのだが。あとベランダ。冷静に考えるとそれ何が陽性判定前と違うん?という気もするが、自主的に引きこもっているのと官憲に命令されて引きこもるのでは大違いなのである。しかしそれも終わった。自由ってすばらしい。

なお以下のレポートは兵庫県における自宅療養についてでありお住まいの地域によって違う対応が取られる可能性がありますご注意。

 

発症から陽性判定まで

ワクチンは3回まで接種済(4回目は対象者にあらず)。3回めの接種は5月24日。ちなみにPPMです。

どこで罹ったのかはわからない。基本的にわたしはあまり外に出ないし、出るときもマスクは必ずする。長話もしない。立ち寄った先にクラスター発生したということもないようだ。八月になって咳が出始めたのだがそれも半月以上続いててこれがどこまでコロナと関係あるのかもよくわからない。もともと気管支が弱いのだ。しかし咳に加えて痰も出るし鼻もつまってきたし、なにより疲れが出て、前々から気になっていた耳鳴りが夜になるとつよい。というわけで久々に医者にみてもらいたい気になった。それで地元の耳鼻科にいったところ、受診前に抗原検査受けさせられて、それでコロナ陽性が判明した。検査は有料でした。初診料・検査料他1860円(三割負担)。診療はとくになかったが処方箋をもらった。そのあとの薬はコロナ陽性患者扱いなので無料。発生届は看護師に聞き取りをされるのだが、症状や経過のほかワクチン3回目の日付を聞かれた(これは後に保健所にも訊かれることになる)。なお発生日は検査日=8/8で届け出をする、と医者はいっていた。

 

症状


 軽症も軽症、療養中発熱している自覚もなく(後述)、経皮酸素飽和度はつねに96%以上をキープしている。「ただの風邪」という人がいるというのもわかる(わたくしはそんなことは申しませんが)。

 改めてまとめると、咳のほか痰、鼻水、筋肉痛(肩こり)、夜寝る時苦しい(胸に圧迫感)。味覚障害はない。ごはんがおいしいです。これはありがたかった。お通じもなかったりあったりあるといきなり下痢便とたいへん怪しかったがこれはコロナと関係あるのかわからない。コロナの症状としては下痢が多いとききました。

 発熱は最初期に一瞬37.2℃があり(松のや調べ)、自宅療養をはじめて3日めに火照って額を濡れ手ぬぐいで冷やして寝たが、ほかに熱があった気はしない。気はしない、というのは体温計をどこかにやってしまい、結局療養中に探しきれなかったので額に手をあてるという昔ながらの方法で調べることになった(さらに後述)。

 

行政上の区分:自宅療養と自主療養


 私は病院で検査されて発生届を出されたので「自宅療養」ということになる(入院はともかくホテル療養の希望は聞かれませんでした、まあそれはいいです)。県では別途「自主療養」というカテゴリがあって、これは罹患証明書を後日出してもらえるのだが、医療保険やらの手続きでこれではだめと主張するところがあるらしいよ?みなさま勤務先や加入保険の詳細を事前にお確かめになるとよろしかろう。あと、このふたつは県からの扱いが違う。自主療養では県からの各種支援に受けられないものがある(らしい)。少なくとも支援物資は来ないと聞きました。月曜の買い物に出る前に判定をくらったので、これは自分にはよかった。なお支援物資はすぐにはこないので事前の集積を強くおすすめする(後述)

 

行政からのサポート:健康観察、器具貸与、支援物資

届け出から3日め、保健所から電話がきた。標準的にはSMSでやりとりするもののようだが今回は電話である。そしてあれこれの連絡先を教わり、相談したり申請したりを電話で繰り返し、下記のサポートを得ることができた。この交渉にはのべ1時間ほどがかかったが、支援センターはとにかく電話がつながらないため、実際の時間としては保健所からの電話から6時間以上が経過していた。


 県等からは毎日の健康観察、パルスオキシメーター等の検査器具貸与、食品や衛生用品等の支援物資の送付があった。支援物資は県から5日分、別途市から5日分。市のは地元のスーパーに委託されており、これは詰まっているものもバランスよく(パンあり白ごはんあり、おかずも和洋中あり、甘い物もあり、そして平段ボール二個に分包されているので病人でも運ぶのが楽)心配りが行き届いてたいへんありがたかったです。こんど駅前にいったらなんか買うね(家からは遠いのだ)。そして印刷ながら市長さんの手紙が入っていたのでちょっとなんかほっこりした。県はまあ……おおむねよろしいとおもうのだが……市から来たものがすばらしすぎたので……麦茶(玄麦)は持て余す人多いとおもうぞ。生理用品はGJだが。ぼくはもう使わないけど。そしてこちらには自宅療養についてのマニュアルは入っていたが県知事からの手紙のようなしゃれたものは入っていなかった。なお発生日から県のは4日め、市のは5日めにつきました。県は仕事が早い。それは認める。とにもかくにも支援物資は来るにしても当日はつかない。そしてこれは汎用性をもって尊しとなす類のものらしく自分に最適化されたものがくるわけではないことは覚悟しなければならない(後述)


 パルスオキシメーターは発生日から4日めについた。希望者へ貸与なのだが、看護協会の人は体温計も貸してくれるといっていた。私は間に休日がはさまったこともあり結局頼まなかったのだが……支援物資同様、これも希望してから届くまで日数がかかるので、万一体温計が手元にすぐない人は最初に頼むのが吉と思います。その前に買っておくほうがいいと思うけどね。なお貸与された医療器具は療養が終わった時点で郵送でお返しします。返信用封筒も一緒にいれてくださったので夜が明けたら返しに行く。


 健康観察は電話で1日1回ある。健康観察(県看護協会担当)や保健所からの連絡にはふつう携帯電話のSMSをつかうらしいのだが、私は携帯電話をいまもっていないので、電話での音声通話のみになりました。Skypeだったらいいんですけど、ということをいってもはじまらぬ。なおSMSだと健康観察は1日2回らしいよ。きまったフォームにこちらから入力するらしい。


 この一連のサポートを受けるにはまず保健所から連絡があってそれに答えて、ということになるので発生日からキューに入るまでにはタイムラグがある。療養者支援センターのように電話連絡しかできないところもあるのでそこが隘路にもなる(センターの電話番号は非公開で、保健所から連絡が来てはじめて判明する。私の場合は発生3日めにしてはじめて把握した)。ゆえに対応に必要なリソースは事前に集積することを強くおすすめします! 一人暮らしの方はとくに。たとえば食料なら上述の事情から5日分はほしい。災害備蓄は3日72時間分とよくいわれるが、それより遅く支援がつくのが兵庫県コロナ対応の現状です。


 またサポートはいろいろな窓口があるので必ずしもその間の連携はよくない。あちらとこちらでいってることが違ったり、窓口が同じでも担当によって違うことをいったり普通にある。しんどいときにこれをくらうとさらにしんどいのだが、耐えて要求を静かに繰り返しましょう。自分は怒ると声が低くなるのだということを五十を越えて知りました。話し合いのためには厚労省や県の各種ウェブサイトを読み込んでおくのが吉です。

 

支援物資とその補完

 

支援物資に入っていたものは、衛生用品と食糧。衛生用品は石けん、消毒薬、使い捨て手袋、トイレットペーパー、生理用品、ティッシュ、ひととおりある。どれもうっかり切れてたりすると大変なことになるので入れてあるのはわかる。こちらは県のが充実していて災害支援の経験が生きているということかなあと思った。食糧はレトルトパックのごはん、丼の素、魚の缶詰、カップめん、インスタントスープ、同味噌汁、ドリンク類が基本だが、市のほうは先述のとおりパンもいれてあった。ミニスナックゴールドは癒やし。10日間食べるには十分な量だがしかし内容には偏りがある。いまどきネットスーパー等で即日手配できるとはいえ、類似のものが災害時の救援物質として来る可能性も鑑み、以下自主備蓄で補正対応することを前提に当家の買い物リストを共有したい。

  • ロングレンジ牛乳、豆乳
  • 肉系保存食:缶詰、フリーズドライの肉入りスープ、干し肉等;冷凍肉製品
  • 野菜系保存食:冷凍・乾燥野菜、フリーズドライの野菜多めスープ
  • 果物:缶詰、果物入りゼリー、干し果物(プルーン等)

上に書いたように支援物質のタンパク質はおもに魚製品の形態を取ってくるため、乳製品・卵・肉はやや足りない。この当たり好みの問題ではあるが、私はミルクティーを愛してやまないため、牛乳が足り苦しくなってきた最後のほうは精神的にかなりきつかった。まずいことに豆乳の買い置きもたまたまなかったため(先週の月曜に買うつもりだったのだ)、買い置きをもう少し増やす必要を感じている。肉はたまたま未開封のソーセージと冷凍肉若干があって今回は足りなくなることはなかったのだが、備蓄を意識的に点検する必要性を感じた次第である。

また支援物資にはとにかく繊維質が足りない。私は買い物に出る前の状態で陽性判定をくらってしまったので野菜室がすっかすかのかーで自宅療養に突入してしまい、たいそうつらい思いをした。なので普通に野菜を買っておけばこのあたりは考えなくていい気もする反面、冷凍野菜やフリーズドライのスープには今回たいそう助けられたので買いましをしておきたく思った次第である。うちではコープさんのフリーズドライスープを四種用意してあったのだが今回の10日間でほぼ使い切った。なお内訳は淡路島たまねぎスープ・野菜たっぷりトマトスープ・もずくスープ・豚汁である。豚汁は干し肉に滋味があってたいそうよかった。癒やし。果物は繊維を取るだけではなく甘味という観点からも重要である。家から出られないときの甘味はとてもとても重要なのだ。というわけで備蓄してあったコープさんの果物ゼリーは全部食べきった。

逆にあまり手がつかなかったのがカップめん。日頃は何日かにいちど食べるくらいの勢いなのでこれは意外だった。10日間でいちどしか食べていない。危機下におかれるとちゃんとしたものを食べたい気持ちが強くなるということなのか?白い御飯を一日に二度も食べたのはひさびさだった気がする。

 

その他

以下雑感&まとめ

  • 一人暮らし等行政から支援が受けたい人は早めの受診おすすめ
  • 支援物資はすぐに来ない、事前集積で乗り切るには5日分の備蓄が望ましい
  • 友達ってありがたい

行政から支援を受けようと思うと発生届が保健所に出されねばならず、それには医師を介さなければいけないので、発熱外来等で検査してもらって、という必要がある。そして支援には発症から○日までのような縛りがあるものもあるので、手続きは早め早めが望ましい。逆に家族と同居なりネットスーパー使いまくりなりで自力でどうとでもなるから自主療養という方は、薬局で買った抗体検査キットで自ら検査するのでよく、そうなれば無理に外へいく必要もない。検査キットはネット通販でも買えるようになったそうですね。

そしてめでたくあちらの審査に合格して行政から支援を受けられるようになった場合でも、実際に支援物資等がつくまでには数日かかるので、その意味でも届けは早ければ早いほどよいです。そう思います。

そしてそして。友達ほんとうにありがたいです。必要なら買い出し代行しますとおっしゃってくださったSさん、おみまいのきもちをよせてくださったみなさま、やくたいもないチャットにつきあってくれた誰彼に、ほんとうにありがとう。これをよんでくださった皆さまもどうぞ健康でありますように。

第二回接種を受ける未来の私への伝言

なんねんぶりだよぉぃ

本題。人もすなるワクチンを我もせんとてするなり。というかした。一週間たちました。第二回接種まであと二週間あり、忘れないうちに第一回の教訓を書いておく。つまり備忘録。

 

7月28日のわたしへ申し送り

  1. 上着は前がはだけやすいものにしておく。Tシャツ厳禁。
  2. 二日前くらいから水分は充分に取っておく。
  3. 生協の配達は接種の前に取りにいっておく。前の週に弁当を注文しておく。淡路屋さんのがあるといいな。
  4. 問診票などはえんぴつではなく、ボールペン等で書く(とTwitterでどなたかおっしゃっていました)。
  5. 筋トレ。とくに指の筋トレ。これ書いたらすぐやる。

以下解説。書いておかないと忘れそう。

  1. 接種後しばらくすると副反応で腕がはれる。これが結構痛くて、腕があがらないため可動域が四十肩並にせばまる(せばまるのです。ブログ書かなくなったのもだいたい四十肩のせい。いまは寛解している)。甘く見てノースリーヴのチベットTシャツのまま夜までいたわたくしが馬鹿でした。文字通り痛みに涙を流しながら脱衣所でもだえて泣いた。めんどくさくても流行遅れでも前あきのシャツで接種にはいくべし。
  2. 副反応の症状はわたしの場合筋肉痛(上腕がちょっとはれた)と倦怠感。発熱はなかった。だいたい風邪の症状なので風邪対策と同じことをしておくとたぶんもうちょっと楽だ。つまり、脱水症状に気をつけよう。夏だしね。
  3. これ忘れて接種のあと昼寝爆睡しててあやうく取り込みそこなうところでした。接種の前にコープさんの荷物取りにいこうね約束だよ>自分
  4. えんぴつじゃないほうがいいそうです。えんぴつでも文句いわれませんでしたが、そうなのだそうです。はい。
  5. 腕に力が入らないためペットボトルの蓋がいつも以上に開けにくく、苦労した。なかでも接種二日後には握力不足からうっかりペットボトルをおとして中身をぶちまけてしまい、泣くはめに。せめても指の握力を鍛えておこうと思った。

以上です。

初天神

亡夫は高校生のみぎり北野天満宮に合格祈願にいったそうだ。

さすが本家、拝殿のまえはごったがえしていて亡夫もまた人波の後ろのほうから賽銭を投げたとか。

「すると社殿の柱に当たって小銭が跳ね返ってきたんだ」

「へえ」

「親父がそれを聞いて『天神さんえらい良心的やな』」

「そうだねえ」

なお翌年のお賽銭はめでたく嘉納された模様。ちなみにこちらは地元の天神さんだったようです。

 

KOF2015 へいってきました+FLOSSまわり近況

いってきました、って他人事みたいですが、ともかくまあ関西オープンフォーラム(KOF2015)へいってきました。先週の金・土、11月6日・7日です(KOFは毎年11月はじめの金・土2日間です/来年は11日・12日。最近どんどん前へ出るのでいちど後ろへ戻すとのこと)。

k-of.jp

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フェアプレイ

あるブログのコメント欄にこんなことを書いた。

ボードゲームのデザインをされている知人が、ご夫婦ともゲーマーの方をお迎えして多人数ゲームの卓を囲むのは実はしんどいと語ってくれたことを思い出しま した。紳士淑女であるほど相方に対してとりわけ辛い手の応酬となり、他のプレイヤーがいたたまれない思いをするほどだそうです……。

その方は公平にプレイしようとするとかえって手が辛くなる、という風に捉えておられたが、うんそういう面もありますが、それだけではない。ちょっと違う。少なくともわたくしの場合はそうだった。

もう少し正確にその方の発言を再現すると、夫婦の場合、お互いに結託するか、公平に振舞おうとするかどちらかに分かれるのだが、練達のゲーマーであるカップルは公平に振舞おうとすることが多い、そしてそのような紳士淑女はかえって相方に手が辛くなる。将棋でいうところの友達をなくす手ですな。だが夫婦は友達ではないからのう。さて、ここで鍵となるのは公平さである。わたくしどもが紳士淑女だといっているのではないですよ、ただボードゲームというもの、他にも遊び仲間がいる。その方々がどう捉えるか、気分を悪くされるのではないか、ということもちらと脳裏に走る。つまり、相方に対してあまりに辛い手を指して、前の日夫婦喧嘩でもしたのではないか、と思われるのも叶わない。それで緩すぎもせず辛すぎもせず、ぴったり最適手を捜そうという意識が常以上に強くなる。そんなこと考えずにいつものように最適手を淡々と探せばいいようなものだが、ご見物を考えてしまうのですね。この時点で平常心ではなくなっているのだが、卓を囲んでいる最中にはそのことには気が付かない。

さてそこでゲームの終盤、奴がトップを走っていて、わたくし自身は四番手くらい、そういう状況と思いねえ。そこで手番がわたくしに回ってきたのだが、ちょうど手持ちの札がトップを直撃できる程度、そこで戦力をありったけつぎ込んで奴をトップからひきずり下ろした、結局誰が勝ったかは覚えていないが、そこで奴が怒ったんですね。激高した。わたくしが奴を引きずりおろすためだけに行動した、といった。そのときはゲーム合宿で何人かでほぼその宿を貸切状態だったのですが、食堂で二人で夕食を採っている間ずっとそのことをいっていた(賢明なみなさまはゲーム直後から我々の間に流れる不穏な空気に気づいてか近寄ろうとしなかった)。曰く「君がそんなにゲームを知らない人だとは思わなかった」。

奴がわたくしの機動をどう解釈しようが知ったことではないのですが(それこそ君がゲームをそんなに知らない人だとは思わなかった)、これにはわたくしもカチンときました。わたくしだってゲーマーのはしくれですからね。そこで独走状態のトップを狙い撃ちするのは多人数ゲームの基本であり、自分の点をたんに上積みするより全員の持ち点を均等化し上位と中下位の差を一定に保つのは中位プレイヤーとして可能な戦略のひとつである、それが分からないとは情けない、君こそゲームを知らない人なんじゃないのかみたいに、まあ倍返しですよね倍返し。そこで悔しそうに奴が唇をぎゅっと噛んだ顔はみものでしたよ。「わかったよ、取り消す」かなんかかろうじていいましたが、彼は自分から絶対謝らないのね。だからごめんとはいいませんでした。それは覚えてるんだ。

その晩ですか?暖かくして屋上にふたり寝転んでプレアデスを見ましたよ。冬の星をみてゲームをする合宿だったのです。コンクリートの床が冷たかったなあ。

 

ピクルス天国

ここ数年、わたくしは日曜日が買物日なのだが、なのでおとといはびっくりしました。野菜急に高くなってますね。遺族年金でつましく暮らす40代としては、なので先週から軒並み100円づつ値段があがった野菜には手を出しかねて、でもいいもんね、ぼくにはピクルスがある。

写真をお見せできないのが残念ですが、冷蔵庫をあけるとガラス瓶に色とりどりのピクルスが収まっていて、しあわせな気分になります。とくにこう、野菜が急激に高くなったときには、よかったピクルス作っておいてという気分になります。こうなったのは、8月末に毎朝たべるつもりで野菜を漬けたのを、なんだか月末とてもけだるくなってシリアルと牛乳(だけ)の日々がしばらく続いたからですが、まなんだ怪我の功名だ。なので野菜室に萎びたミニトマトとかあるけど、それは違う話なので気にしない(あとで料理します……なにドライトマトだと思えば……)。

いまあるのは、赤玉ねぎのピクルス、キュウリのピクルス、プチトマトのピクルス、三種。赤玉ねぎはいただきもの。自分ではあまり買いません。淡路産の大きいのをいただいたので、漬けてみましたが、日がたったせいかだいぶ色が酢にでてしまい。でもおいしいので気にしない。キュウリは横に半分に切って、さらに縦に割って、種をスプーンで取るのは均一に漬けたいからですが、いちばんおいしいのはここだよねえ。なので種のまわりのぬらぬらは、さっとしょうゆをからめてごはんにかけて食べてしまいます。山形だしみたいな感じでおいしいよ。閑話休題。プチトマトは湯剥きをしましたが、もとは一週間くらいで食べきるつもりでした。半月以上たってしまうとちょっと漬かりすぎ。長期保存にはひょっとすると皮を剥かないほうがいいのでしょうか。どなたかご教示いただければ幸いです。どれも生で食べますが、プチトマトは刻んでオムレツの具にもします。中近東でよく食べたトマトのオムレツは、さっぱりして夏向きの一品だと思います。

ピクルス液は、枝元なほみさんの酢の素レシピに依っています。いまある三種はリンゴ酢を使いますが、米酢を使うこともあります。和のもの、中華ものは米酢、洋風のものはリンゴ酢という使い分けです。野菜をたくさん漬けようとおもうと酢を結構使うので、安い時に数リットル、瓶にして二、三本買い込んでおきます。腐らないので納戸に閉まっておくのが吉です。つうかときどき買い置きがあるのを忘れて次のを買ってしまうんよ。まあ腐らないからね。

瓶ですが、専用の密封容器のほか、ジャムの瓶を使っています。毎日使いまわす・長期保存を考えないでいいなら、ジャムの瓶は便利です*1。元来は梅酒用だった大きい瓶もあるんですがこれは今年はらっきょうを漬けたので……今年?いやもう去年か…………カレーの付け合せに漬けたんだけどすっかり忘れていた。わはは。とにかく大きい瓶もあるんですが、きゅうり1、2本漬けるには大きすぎます。ジャムの瓶なら開封後冷蔵庫にいれて使えますし、ていうかわたくしは開封前もピクルスは冷蔵庫に入れておくことが多いです。目安としては、キュウリ1本がだいたいジャムの瓶1つにおさまる感じ。瓶は使う前に、しっかり煮沸消毒します。鍋にたっぷりの湯を張って、沸騰してから瓶を入れて、2分は煮たいですか。菜箸であげて、清潔なタオルの上に並べて、乾いてからピクルス用に使います。ここをサボると雑菌が入ってピクルスが日持ちしなくなる、らしいですが、わたくしはここはまだ失敗したことないので(えへん)、伝聞です。理想をいうと初期の無印良品で出ていた750ミリリットルですか、の巨大な寸胴瓶がいいのですが、あれめっきりみまくなりましたねえ。なのでもうちょっと小さいのを使っています。350ミリリットルくらいまでは使うかな。

料理する気力がときに途切れてしまうこともある身には、新鮮な野菜をたっぷりいつも常備するよりは、日持ちのするピクルスにしておいたほうが安全、というのはやや後ろ向きでしょうか。でもピクルスおいしいですし、箸休めがほしいときに、重宝しています。そのままたべても、ゴマやかつおぶしをかけても、おいしいです。ガラスの瓶に入ったキュウリのピクルスを横目に、そういや『ガリヴァー旅行記』にはキュウリに詰まった陽光を再び抽出する話ってあったよなあ、ということを思いだしたりします。夏に漬けたピクルスには夏の残り香がある、といったらいいすぎかしら。

夏野菜はもう急速にオフシーズンへ向かってますが、まだまだ新鮮な野菜はしばらく出回り続けます。いまからでも、ピクルス遅くないですよ。

 

 

 

 

*1:逆に長期保存するなら、もっと大きな瓶がいいと思います。夏の名残にほんの少し、というのも風流ではありますが、労力に見合ってない気が個人的にはします。

ダニーがんがった

承前

この手(引用者注、第95手☗2三歩)を見て羽生が頭を下げた。☖1二玉☗1三歩☖同玉☗2四金☖1二玉☗2二歩成☖同玉☗2三馬☖2一玉☗2二歩以下、歩の数が足りてぴったりの詰み。羽生は額に手を当て、じっとうつむいている。やがて糸谷が何か羽生に話しかけた。関係者が対局室へなだれ込む。主催紙によるインタビューが始まった。
終局時刻は21時26分。消費時間は☗糸谷4時間14分、☖羽生4時間44分。勝った糸谷は挑戦者決定三番勝負を制し竜王挑戦を決めた。規定により同時に七段昇段を果たした*1。七番勝負第1局は10月16・17日(木・金)、アメリカ・ハワイ州「ハレクラニ」で行われる。

2014年9月8日 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治名人 対 糸谷哲郎六段|第27期竜王戦

糸谷先生、竜王戦挑戦おめでとうございます。森先生が短い言葉ながらとても嬉しそうでみているこちらも嬉しくなる。いやあ、朝から進行も速く、序盤で早々に飛車交換するよな激しい将棋で息を詰めるようにみていたのですが、それで疲れてしまって夕食がてら他出したところその間に終局してしまったのは不覚。あんまり気をいれて見ていたので、解説会が大阪であることすら忘れていたという。

森内俊之竜王はこの間の春まで名人でもあった方で実力者ですが、ご当人があるインタビューでおっしゃるには「わたしは誰とやっても五分なので」、だからダニーにも勝機はある……と思うんだけど……それはおいて、森内さんの将棋も(藤井先生や糸谷先生ほどではないのですが)わたくし好きなのです。藤井先生の将棋を並べていると水遊びをするような悦びがあり、いっぽう森内先生の将棋を並べていると寿命が延びる感じがします。とても落ち着いていてそして楽しい気分が静かに涌いてくるのです。森内対糸谷戦は、だからとても楽しみですね。瞬きもできない場所に連れていってくれた対羽生挑決三番勝負のあとに、糸谷森内両棋士はどんな世界をみせてくれるのだろうか。

竜王戦は七番勝負なので先に4勝したほうの勝ち。基本的にはわたくし世代が近いほうの方を応援することが多いのですが、今回はね。今回は迷うことなく糸谷応援です。こういうのは理屈じゃないんだなあ。とつくづく思います。サルトルじゃないけど問いをたてるときひとはその答えをすでに知っている。選択というのはそういうもの。

 

なお大学院生のタイトル挑戦は初だそうです。阪大生の挑戦も初ですね。ていうかダニー以外に阪大生の将棋指しって過去を含めていないわけだが……三段リーグに阪大生がひとりいるので、今後増える可能性はあります。いまだプロではないかたなので名前は出しませんが、彼にもがんばってもらいたい。はよプロになって巨大生物を飼うという夢をかなえてほしいと思います。

糸谷新七段は大学院は去年から休学してるそうなのですが、するとM2になったところで休学していまは2年目ですね*2。阪大の博士前期課程は休学期間も含め4年間在学できるので、残るのはあと1年余ですか。ひょっとしてひょっとかして、竜王になってしまうとたいそう多忙になり、大学に戻ってくるのはさらに難しくなるだろうから、それがちょっともったいない気はします。ちょっと、であって、すごくではない*3。そもそも阪大文学部はわたしが知っている限り「えー仕事やめて大学にもどる?馬鹿なこと云うんじゃない。せっかく就職したのにもったいないとおもわないのか。大学にはいつでも遊びにきたらいいだろ?どうして仕事やめなきゃいけないんだ?研究はしたらいい……誰も君が研究するのを止めてないだろ、研究は大学にいなくても出来る」みたいな先生の巣窟なので、院生糸谷君を是が非でもひきとめようというような人はいないような気がする。

*1:引用者注:公式プレスリリース

*2:MとってD1で休学した可能性もあるのか、と更新してから気がつきました。修士号取ったかどうかは待兼山論叢みればわかることですがめんどいのでパス。当該号をどこにおいたかわからないという。

*3:制度上、博士前期課程を中退してしまうと修士論文は提出できません。修士号もだから取れない。でもいったん書いたことを論文としてどこかに投稿することとそれは別義です。